本日からメインショー「ツーソン・ジェム&ミネラルショー」の始まりです。もともとこのショーだけだったのが、今では他のミネラルショーをはじめジェムショーやビーズショー、その他雑貨的なものまで様々なイベントが便乗しておこなわれています。今年の特別展は蛍石で、写真は今年のポスターにもなった代表標本です。結晶の大きさはこぶし大位ありました。このポスターは3月19日からおこなう新着品セールにて、お買い上げいただいた方の中から抽選で5名様にプレゼントします。
蛍石 (特別展)
蛍石 (特別展示)
魚眼石 インド(特別展示)
紅水晶 ブラジル(特別展示)
メインショー会場(一部)
出展者は前出のショーで既に出展しているところがほとんで、それほど目新しくはないのですが、みな仕切り直しといったところで、価格が割高になっていたりします。メインショーで一番の目当だった業者が直前にキャンセルしたよう出展していませんでした。毎年、色々良いものがあり、昨年は青紫の燐灰石でお世話になっていたので、とても残念です。もうだいぶ高齢だったので終わりかも知れません。
午後は早々にメインショーを後にし、いつもの会場へ行きました。メインショーに移った業者がいたり、メインショーを見てそのまま帰る業者もいるため、終了しているところがだいぶあります。仕入れも今日が最後で明日帰国するので、取り置きしていたものを全てピックアップしました。
蛍石 イリノイ
本品は蛍石の劈開を利用して作った形です。イリノイの蛍石は色がカラフルなため人気がありますが、結晶の角が欠けたものなどをこのようにして利用しています。ただ現在は産出していないので良い標本はほとんど手に入らなくなっています。十数年前まではこのイリノイ専門の蛍石屋さんがありました。感覚として珍しくもなく特別がんばって仕入れることもありませんでした。一方でその当時、まだ市場が開放されていなかったマダガスカルの天青石などは超高級標本で、今とは桁違いに高価でやっとの思いで1点を選んだ事もあります...
白鉛鉱 イラン
この標本も産出した後に大変話題になった事を良く覚えています。その当時はたくさんあったのですが、今ではやはり手に入れるのは難しいです。このような白鉛鉱の雪のような結晶は白鉛鉱自身が大変脆い事もあって、その存在には感動します。ちなみもしこれがツメブの標本であったら大変なことですが、本品はイラン産でありツメブのブランド価値はありません。でも結晶自体の良さは変わらないので、ツメブに比べるととても割安です。
トルコ石 xls. アメリカ
トルコ石の結晶標本はかなり貴重ですが、毎年数点程度は入手しています。そんな中でも今回の標本は結晶が大きくて、マクロに挑戦すると良いものが撮れそうです。
蛍石 中国
これで今年のツーソンも終わりです。毎年ながら3週間も滞在するのは色々大変な事もあり最終日を迎えるとほっとします。今回の新着品は次回3月19日よりおこなう「ミネラルコレクティング」にて販売する予定ですが、詳しい内容は準備ができた標本から順次紹介していいきますのでどうぞお楽しみに!
ダイアモンド ベネズエラ
スピネル式双晶の中、中央左にほとんどボール状の結晶があります。天然でボール状の結晶はとても珍しいです。人工的に丸くしたものもあるので、入手するときはルーペ等でよく確認する必要があります。中央右にある大きめの結晶は8面体と6面体の複合結晶です。
アホー石 アリゾナ
南アフリカのアホー石入り水晶は有名ですが、アホー石は元々アリゾナが原産地(Ajo)です。本品は地元の採集コレクターからの標本です。ツーソンショーにはもう20年ちょっと来ていますが、雰囲気がずいぶん変わりました。昔は採集コレクターが多く、適度な標本が安価で手に入ったものですが、現在はその手の業者はほとんど見かけません。みな高齢になりリタイアしてしまっています。そのあとを受け継ぐ人がいれば良いのですが、今時の業者はあまりお金にならないことはしないようで、誰も彼もハイクラス標本ディーラーにシフトしてしまっています。このアホー石を毎年扱っていた人は今年で最後で、来年は出展しないと言っていました。残念です。
黄銅鉱・菱鉄鉱 中国
いつもは中国の標本もたくさん購入するのですが、どうも今回のツーソンは今ひとつで、どの業者も良いものを持ってきていません。今年の5月に中国で大規模なミネラルショーを開催するとのことで、そのために標本をとってあるのでは考えてしまいます。
Murray隕石 CM2
1950年にアメリカ、ケンタッキー州 Murrayに落ちた隕石で、アエンデやタギッシュレイク、マーチソンなど共に有名な炭素質コンドライトです。炭素質コンドライトからはアミノ酸が見つかっており、生命起源との関連が注目されています。隕石発見には2種類あって、一つは落下が目撃されて回収されている物、もう一つはいつ落ちたか分からないもの。当然ですが落下してすぐ回収されている物の方が地球環境の影響(風化)を受けておらず研究試料として大変貴重となります。 今回のツーソンショーではナクラ(火星)も少し出回っていました。手に入れたいのは山々なのですが、ナクラだけあってとても高価でした。昨年話題のティシント(火星)は結構な数が出回っています。もう一つのサッターズミル(炭素質)ははやりほとんど見かけません。
相変わらずきれいなツーソンの夕日。いよいよ明日メインショーがオープンします。
Aマウンテンから眺めたツーソン市。今日も良い天気です。ただ気温は低く、誰もが口々に「寒い」と言ってました。
スペリー鉱 ロシア
プラチナと砒素の結晶でプラチナが約6割占めています。結晶標本は数が少なく貴重です。最近はカナダ産のものも出回っていますが、やはりこのロシアン産の方が結晶が大きくて美しいです。
リチア電気石 ブラジル
トルマリン(電気石)グループの中でも、このリチア電気石はカラーバリエーションがとても豊富で集め甲斐があります。ただ流通しているのはほとんどが分離単結晶なので、母岩付きにこそ価値を求める標本コレクターとしては理想的な標本を入手するのは結構難しいです(こぶし大)。
ユークレース ブラジル
ブルーラインが入る結晶の群晶標本(こぶし大)で、あるコレクションの放出品です。今では1cm程度の分離結晶でさえ手に入らないのに、この標本を入手できたのはかなりラッキーでした。入手の難しい標本は2種類あり、一つは金額が高いが(割高)お金を出せば手に入るもの、もう一つは金額と関係なく手に入らないものがあります。今回の標本は後者よりだと思います。
サファイア スリランカ
丁度1年程前に新たに見つかったもので、天然のブルーサファイアです。宝石鉱物の中でも特に天然のブルーサファイアとルビーの宝石質的な結晶は入手が難しく、実際に手にすると、非現実的なその存在に思わず心を奪われてしまいます。GIAに詳しいレポートがあります→
バイリネン石 パキスタン
バイリネン石は希産鉱物で標本は滅多にありません。ただ2年ほど前にパキスタン(アフガニスタン?)で産出があり、ごく僅かながら現時点では流通しています。フィンランドが原産地で原産地では結晶は産出していません。しかし驚くことにこちらは結晶であり、しかも宝石質の美しさがあります。
ナルサルスク石 Montana
希産鉱物。カナダMont Saint-Hilaireの結晶標本が有名ですが、写真はアメリカ/モンタナ産です。
Fresnoite San Benito Co.
バリウムとチタンの珪酸塩からなる1965年発見の希産鉱物です。原産地標本。
バーバンク石(ピンク)、アンケル石(緑)、方ソーダ石(青) ボリビア
バーバンク石は(Na,Ca)3(Sr,Ba,Ce)3(CO3)5という組成の希産鉱物です。
参考までに...閃亜鉛鉱です。通常よりもかなり無色に近く、よほど鉄分が少ないのだと思われます。おまけに丸々ファセットカットできそうな無傷の透明度でビックリしました。出来ることなら手に入れたいとは思うのですが、とっても高価でした。写真だけですが、こういうものもあるのだということで...参考までに。
今日は先ず、今日からオープンするトップディーラーだけの会場へ見学へ。ここには博物館クラスや入手困難な超1点ものなどがあります。これらが高価なのはまだ分かりますが、ごく普通の鉱物でも1~2桁違いの価格設定がなされています。これを高いと思う人は一般的だと思いますが、トップディーラが相手をしているのは億万長者的な人たちであり、我々ではないのです。またスーパーコレクターの人たちもこのような特定のお店でしか購入しません。そこにステータスがあるわけです。でもこうやって一般の人に公開してくれるということはとても素晴らしいことです。でなければこのような標本を見る機会など絶対にありません。
標本の写真は撮ってません。このあとメインショーでまた展示されるので、その時に紹介したいと思います。
お昼からは市内にあるアリゾナ大学付属の鉱物博物館へ見学に行ってきました。地元アリゾナの各種鉱物から世界中の鉱物が展示されています。特別展示で中国産鉱物展も開催されていました。写真は南アフリカのアホー石入り水晶(大きさは大根くらいでしょうか)。ラベルの大きさが10cm弱位だと思います。
http://www.uamineralmuseum.org/
蛍石 中国
蛍石 中国
蛍石 中国(内モンゴル)
蛍石 中国
これはもしかして...あれ!? 笑えます。
放射性鉱物色々
クンツァイト/トパーズ/アクアマリン
輝安鉱 市ノ川
自然金結晶 ベネズエラ
結晶は英語でCrystalですが、これをxtal、さらにxlとして表現します。群晶の場合はxls
結晶標本が珍しい鉱物などで結晶であることを強調するときに使います。
ヘリオドール ウクライナ
ブラジル石 ブラジル
インカローズ(菱マンガン鉱) アルゼンチン
ベニト石&海王石 アメリカ
色々
ミネラルミュージアムを見学した後は、夕日を見にマウントレモンへ行ってきました。
ツーソン市全域を見渡せる最高のビューポイントです!
今日は日中ずっと曇り空だったのですが、このときだけ上手く晴れました。
ツーソン市の夜景と
ツーソンは今日も温暖快晴の天気で日中はTシャツでOKです。
今日は数あるツーソンショーの中でも一番規模が大きいショーがオープンしました。とは言ってもアクセサリーがメインなので、ほとんど関係ないのですが...。でもここには地元アリゾナターコイズ、スリーピングビューティー鉱山とキングマン鉱山の直営店がそれぞれ出店しています。写真はダウンタウンの水晶タワー
Benitoite San Benito
ヨアキン石の微小結晶たくさん付いています。ベニト石は今年も手ごろなのをワンフラット入手しました。鉱山自体は閉山したものの観光鉱山として小規模ながら採集でき、アメリカ人(個人)で熱心に採集している人がいまして、そのおかげで標本が手に入ります。今時分は閉鎖してますが、9月のデンバーに合わせて採集に行こうかと考えた事もあります。ただ問題なのはベニト石は白色のソーダ沸石の中に埋没しているので、これを塩酸で溶かさないとなりません。つまり現地でいくら母岩を採集してもベニト石が入っているかどうかは分かりません。何でも100kg単位で母岩を処理しないと良い結晶は得られないとか...
エメラルド(緑柱石) Muzo
レッドベリル(緑柱石) Utah
ハーキマーダイアモンド(水晶) New York
「ハーキマーダイアモンド」はニューヨークのハーキマーという場所で採れる両先端があり柱面が短い結晶を指す一種のブランド名。近年アルゼンチンやパキスタン、中国からも同様の結晶が産出し「ハーキマー」の名前が使われていることがありますが「ハーキマー」はあくまで場所の名前です。今回は母岩付きで産状のわかる良標本を選びました。
NWA859(TAZA) Iron モロッコ
モロッコのタザで2001年に発見された鉄隕石。エッジングが少し雑なので日本に戻ったら研磨からやり直そうと思います。
温暖なのもどうやら明日までのようです。予報では明後日から寒波が来て10度以上気温が下がりそうです。最低気温は0度前後です。一昨年も寒波が来てツーソン市の一部で停電があったり、水道管が破裂した事がありました。今回はどうでしょう?
アパートから見るマウントレモン。今日も1日快晴でした。
重晶石 ペルー
黄色板状の結晶が群生している標本。重晶石は基本無色ですが黄色や青色などもポピュラーです。ちなみに重晶石は重くて劈開が強いので大変壊れやすく、特に本品のような薄板状の結晶は気をつけなければなりません。
黄鉄鉱 ペルー
スペインのシャープな立方体の結晶も良いですが、ペルーの黄鉄鉱は丸味を帯びた立方体や、正八面体、5角12面体などバリエーションが豊富です。面の光輝が大変強いのものも特徴です。今回は丸味を帯びた立方体結晶を購入しましたが、その中に1点写真の標本がありました。8面体を基本に菱と角に細かい面がでていて、まるで結晶模型のようです。
菱マンガン鉱 Sweet Home mine
サムネイルサイズ
今日は宝石関係の大きな会場が二つ同時にオープンしました。この二つの会場は別々の主催で行われているのですが、ダウンタウン近くの道路を挟んで向かい合って開催されています。片方は立派なコンベンションセンター(写真下)で、もう一方は仮設の超巨大テント(写真上)。どちらもディーラー専用(業者登録が必要)なので、一般の入場はできません。高級感があって立派なのはコンベンションセンターの会場なのですが、入場者が多いのは仮設テントの会場の方です。ただどちらも数年前までは初日の入場は行列が長くて入るまでに時間がかかっていたのが、今日はビックリするくらいすんなり入れました。これも不況の影響でしょうか?ちなみにツーソンで伝統的に開催されていた宝石ショーはこのいずれでもなく、現在は郊外に移転しています。
含銅アダム鉱 メキシコ
Ojuelaのアダム鉱は黄色が圧倒的に多いですが、青緑、ピンクなどもあります。色彩的に黄色よりも美しいですが、紫外線で蛍光することはありません。なお青緑は銅、ピンクはマンガンによる発色とされています。写真の色を上手く合わせられませんでした。
ユークレース ブラジル
ファセットカット可能な両先端がある結晶です!カット用原石の専門店に一つだけあったのですが、両先端がある結晶は初めて見ました。ただ残念なのは詳しい産地が不明なことです。ミナスジェライスのどこかではあるのですが....残念です。1点
オパール オーストラリア
ライトニングリッジの有名なブラックオパールです。ここ数年エチオピア産が多かったので、久しぶりに選んでみました。エチオピア産はオーストラリア産と同様にきれいですが、吸水性がとても高く、季節に(湿度)よっても透明度が変わり、場合によっては割れてしまいます。良く乾燥させたものは大丈夫だと思っている人が多いようですが、吸水性は失われないので関係ありません。だからこそオーストラリア産のように美しくても桁違いに安いのです。今回選んだオーストラリア産は宝飾に不向きな規格外のもので、標本用としては安価でありがたいです。
モリブデン鉛鉱 メキシコ
この数年この産地からはモリブデン鉛鉱の良品がコンスタントに産出していています。おかげで本来は高価な標本なのですが、今のところ手ごろな価格で手に入ります。
灰れん石 タンザニア
タンザニアのメレラニ鉱山は世界中で流通しているタンザナイト(宝石)の産出地であります。タンザナイトは青色の灰れん石(Zoisite)に付けた宝石名ですが、希にピンク色のものも産出し「ピンク・タンザナイト」と呼んでいたりします。今回入手した結晶は大変美しいのですが、残念ながら頭の反対側が欠けています。1点
今日もまた新たに小さいところが2か所オープンしました。ツーソンのレギュラーなミネルショーに出展する場合に、期間中の2週間はお店を開け続けていなければなりません(閉めるとペナルティーがかかります)。そして会場となっているホテルの部屋代は出展料には含まれておらず、ミネラルショーシーズンの特別料金がかかります。このようなことから最近は出展を嫌う業者がいて、1社ないし数社で数日間ゲリラ的にオープンする即売会が増えてきています。こうなるとあっち行ったりこっち行ったりと車でいちいち移動しなければならないので効率が良くないです。
方解石 アメリカ
犬牙状ないし、菱形の角を落としたきれいな結晶が集合している標本です。結晶の中に白鉄鉱の結晶が入っているところも、ただの方解石と違って魅力あります。
灰ばんざくろ石 メキシコ
このピンクのグロシュラーは20年ほど前に新産した時、鮮やかなピンク色の結晶に当時は大変話題になりました。その後ずっと良品の産出がなかったでのすが、今年は久しぶりに鮮やかなピンクの結晶がでていました。
蛍石 イギリス
蛍光鉱物の中でもこれだけ蛍光性の強い石は他にありません。本来緑色の石ですが、太陽光下だと青味を帯びます。この蛍石が採れる鉱山は元々鉛を採掘していたのですが、ずいぶん前に閉山してしまっています。そこを蛍石のために、鉱物業者がこの7年位単発的に採掘していました。そのおかげでそれ以前はアンティーク的な標本だったのが、今ではメジャー標本になっています。しかし、昨年から新しい標本が出回らなくなってきており、もう採掘していないと思われます。
アホー通り この信号を左折して2時間くらい走るとアホー鉱山があります。そういえばここ数年ブームだった南アのアホー石入り水晶ですが、昨年のミュンヘンでも今年のツーソンでも影も形もないという感じです...残念ながらこちらもとりあえず終わりのようです。
今日もまた人気あるディーラが一つオープンしました。小さい会場なのにオープン前にはたくさんの人が並んでおり入れるかどうか心配でしたが何とかなりました。このような状況はどこでも一緒ですね、コレクターの心情としては仕方ないですが...
トパーズ メキシコ
この産地のトパーズは1cm前後の赤みを帯びた結晶が集まっているのが特徴です。トパーズ自体は無色透明で、赤色は針状のルチルインクルージョン(産地情報として)によります。他に無色透明の玉滴石を伴うことがあり、これは紫外線で緑色に蛍光します。
アウゲル石 ペルー
アウゲル石の標本は流通が少なく良品の入手は難しいです。色は本来無色で肉眼的な大きさに結晶することも珍しいです。有名産地としてはカナダのRapid Creekがありますが、色と透明感はこちらの方が優れていると思います。また水晶群晶との組み合わせも標本として品があっていい感じです。
キャニオン ディアブロ隕石 Iron
有名な鉄隕石というと「ギベオン」や「ムオニオナルスタ」「カンポデルシエロ」「シホテアリン」がありますが、これらが有名なのは流通量が圧倒的に多いためす。一方キャニオンディアブロが興味深いのは落ちたときのクレーターがきれいに残ってることです。しかも簡単に見学でき、隕石衝撃の凄さを感じることができます。またこのツーソンから車で行ける距離でもあります。
グーグルマップ→
2011年に訪れたときのNEWS→
この隕石からは4種の鉱物(Moissanite, Krinovite, Haxonite, Lonsdaleite)が新鉱物として発見されています。新鉱物が登録(始めに発見)されている隕石はごく一部です。
ところで鉄隕石(塊)のイメージというと誰もが「真っ黒な塊」だと思います。しかし実はこれ、人工的に酸化皮膜を作ったもので、サビ防止(鉄のフライパンと同じ)と隕石らしいイメージ(ヒュージョンクラスト的な)のためです。採れたての状態は茶色いサビの塊といったとこでしょうか...。カナブラシないしサンドブラスター等でサビを除去しますが、もちろんサンドブラスターの方が自然な仕上がりです。
日差しがとても強い1日でした。屋外だと石を見てもまぶしすぎて目が痛いです。今年はサングラスを忘れてしまい辛いです。今日オープンする人気会場があり行ってみたところ、10社程度の小さい会場なのですが、その中のある業者に笑えるくらい日本の業者が集中していました。求めているものはみな同じと言うことでしょうか....
菱亜鉛鉱 New Mexico
この産地の菱亜鉛鉱は丸い感じに美しい真珠光沢が特徴でアメリカではとても人気があります。どういう訳か日本では今ひとつ人気がないようです。たぶん割高に見えるのだと思いますが、それだけアメリカでは評価されていると言うことでもあります。ただ、現在は産出していないようで、出回っているのはいずれも昔の標本です。
灰鉄ざくろ石(メラナイト) ロシア
真っ黒なわりに結晶面の輝きが強く、きれいな標本です。色の原因は微量のチタンによります。
ぶどう石 南アフリカ
...? ぶどう石とのことです。色はマンガンによるとのことで、産地(N'Chwaning)としてうなづけますが、戻ったら確認してみます。1980年に一度産出したきりで、その後は無く幻的な標本のようです。それにしてもこの見た目では初見でぶどう石だと言える人はいないのではないでしょう。少し赤みの強い結晶はイネス石、無色でキラキラしているのは魚眼石です。
ツール・研磨関係が集まっている会場です。あの有名なDiamond PacificのマシーンをはじめA級からC級品まで各種ダイアモンドディスクやパウダー、ダイアモンドカッター、メタルボンドディスク、セリウムオキサイドフィルムが手に入ります。メタルボンドやセリウムオキサイドフィルムは宝石のファセットカットにおいてとても重要なアイテムですが、日本では手に入りません。ダイアモンドパシフィックのカボション研磨機は日本から個人で直接注文できるのでお勧めです。性能は国産よりはるかに優れていて一度使うとやめられません。価格も安いです。個人輸入の壁はありますが、ぜひチャレンジしてください!ちなみにお勧めはビックフットかジェニーで、違いは大きさで、ポイントはそれぞれのメリットが片方のデミリットになります(ピクシーはお勧めしません)。
帰路方向にあり、いつも夕日に赤く染まっていく頃に眺めつつ帰ります。
今日は快晴で日中の気温24度と少し暑い感じになりました。毎年2月に入ると暑くなってきて、日中はTシャツで過ごせるようになります。ただ、夜間は10度を切るので、上着も持ってでないと辛くなります。
斜灰れん石(クリノゾイサイト) ペルー
石英の隙間に数ミリ大の結晶が集合して付いています。ルーペで確認すると先端部がピンク色透明で予想以上にきれいです。斜灰れん石の結晶は珍しいです。
重晶石 ペルー
重晶石は通常、立方体ないしその角を落とした形の結晶で立体的なイメージがあります。しかし時に平板状に結晶することがあり、知らないと「何これ?」という感じになりますが、実はスピネル式双晶によりこのような形になっています。
リチア輝石(クンツァイト~ヒッデナイトのバイカラー) アフガニスタン
今回、新産の一つ。アフガンのリチア輝石はたくさん出回っているので、珍しくありませんが、この標本は緑とピンクのバイカラーでバリエーションとしては珍しいです。ただ問題はこれが自然発色かどうかということです。放射線で色味を濃くしているのがあるので注意が必要なのですが、今回の標本は色味と2色の混じり方に不自然さがなく良しとしました。もう一つの問題「紫外線による退色」に関してはかなり不安を感じますが、相手の業者は「大丈夫だと」当然ですが言っていました。一応帰国したら試してみようと思います。
金の結晶 南アメリカ
自然金(等軸晶系)も当然結晶するのですが、模型的な標本を実際に見る機会はほとんどなく、雑誌やネット上の写真でしか見たことがないと思います。ツーソン等のショーでですと一部のトップディーラーのショーケースの中に数ミリ大の標本があります。ただ価は当然ハイクラスなので、手に入れて紹介できるものではありません。昨年のミュンヘンショーで知り合った業者で「結晶、ツーソンに持って行くからと...」ということがあって、今回は明瞭な結晶を数個ですが手に入れることができました。当店でもきちんと紹介するのは初めてではないでしょうか。
ツーソンショーは今週末から週明けにかけて本格的にスタートするので、まだ準備中ないし、未着の業者が多いです。今日はいくつか鉱物系ではない会場を軽くチェックしてから、昨日と同じ鉱物会場に行きました。天気は日中ずっと曇っていましたが、気温は高めで寒くはありませんでした。
蛍石 内モンゴル自治区
現在、この蛍石をはじめ多数の鉱物を産出している内モンゴル産鉱物はコレクターの注目の的になっています。でも今回のツーソンに出展している中国系業者は多数いるのに、なぜか皆持ってきていません。まだ始まったばかりなので分かりませんが、ちょっと予想外でした。無色八面体の蛍石は一応、ワンフラットだけは確保できました。
水晶 日本式双晶 ペルー
ペルーの日本式双晶は昔から多産していて母岩付きの良標本が手に入るのでお勧めです。まだ見つけませんが鳥形三連も注意して探すと、ふとあったりします(一つ母岩付きで10cm近い長さの3連晶を見つけたことは見つけたのですが、全体の大きさが1m位もあり流石に範囲外です)
灰ばんざくろ石 カナダ
昨年のミュンヘンショーでは無色の標本を手に入れましたが、予想外の人気で、多数の方にお応えできず残念でした。今回も何とか入手できるとよいのですが...写真のは少し発色があります。
一昨日ツーソン入りしました。今回はメインショーを含めて2月中頃まで滞在する予定です。田舎町のツーソンですが、会場周辺のホテルはこの時期だけスペシャルプライスとなるため長期滞在すると大変な事になります。そのためここではアパートを借りて滞在しています。写真はアパートの入り口
リビングルーム テーブルは段ボールにボードを乗せて使用。写真右手にキッチン、写真の奥に寝室、納戸、バスなどがあります。ホテルとの違いは価格の他に、部屋がとても広いこと、大型冷蔵庫があること、ルームサービスが無いこと、ベットが無いことでしょうか...ベットを購入するとさすがに後が面倒なので、マットと毛布を使用して布団形式で寝てます。
ミネラルショーの会場になっているホテルで、ここは鉱物標本系では最も有力な主催者が運営している会場です。(最近の傾向として日本で「ミネラルショー」というと石系のお店が集まった雑貨イベントという感じですが、アメリカやヨーロッパでミネラルショーというと鉱物を標本としているお店のイベントです。ツーソンでは複数の主催者がそれぞれのイベントを開催しておりMineral Show、Fossil Show、Gem Show、Bead Showなどジャンルごとに名前がきちんと分かれています。)
会場の中庭、いすを出して日光浴をしている人がよくいるのですが、まだセッティング中のところがほとんどなのでまだなようです。
数年前からロシア産の見事な赤銅鉱が出回っていますが、この産地では自然銅、藍銅鉱も産出しています。今回、赤銅鉱の結晶が自然銅になっているものや、藍銅鉱の結晶が赤銅鉱になっているものなど興味深い標本がありました。ただ、いずれも高価な標本なので、今回は写真だけです...
今日は良い天気でしたが、冷たい風が吹いていて少し寒かったです。天気予報ではこれからすこしづつ気温が上がっていくようです。ツーソンは屋外の会場が多いので、早く暖かくなってほしいです。
そういえば今日は鉱物標本系では一番大規模な業者のオープン日でした。初日はいつも混雑するのと気が乗らなかったので避けましたが、どうだったのでしょうか?
セールに間に合わなかった新着品などを紹介します。
*放出標本で、コレクターのこだわりが感じられるサムネイルコレクション 150点!
(サムネイルコレクションとは親指の爪位のサイズに限定して集めていることをいいます。2cm以内位でしょうか...欧米人のサイズは少し大きいです。)
*ルースコレクション 100点! レアストーンも多数あります。また、カットグレードが低かったり、産地が国名しかいないものなどもあり、それらは格安で処分致します。掘り出し物がきっとあります。
蛍石 ルーマニア Cavnic
蛍石 フランス Tarn
蛍石 アメリカ Cave in Rock
蛍石 ペルー
リチア電気石 ブラジル
エメラルド パキスタン
水晶 スイス
菱亜鉛鉱 アメリカ・79鉱山
草緑色の小さな結晶が母岩を覆っています。有名鉱山の標本です。
リチア電気石 アフガニスタン
宝石的な結晶で母岩付の標本は貴重です。
菱マンガン鉱 アメリカ・スィートホームSunnyside鉱山
有名鉱山の有名標本です。
赤銅鉱 コンゴ
一昔前の有名標本で、シャープな八面体結晶が見事です。
現在は産出していないのでしょう、もう10年以上くらい新産出で見ることはないです。
ベニト石 アメリカ・サンベニト
小さいけどベニト石の三角結晶が見事な標本です。
リチア電気石 ミャンマー
「マッシュルーム・トルマリン」などというネーミングが付いていましたが、リチア電気石としてはかなり特異な形です。
蛍石 中国
白色水晶の上に付く紫色透明の立方体結晶、バランスの良い標本です。
Yaogangxianの蛍石はカラフルで素晴らしい標本が沢山ありましたが、最近はすっかり見なくなってきました。
リチア電気石・リチア雲母 ブラジル
昨年のツーソンショー(2011)の特別展示にあった標本と同じタイプです。
http://hori.co.jp/news/assets_c/2011/02/IMG_5649-1113.html
含銅アダム鉱 ギリシャ・ラウリオン
これも有名産地の有名標本です。
チャロ石 ロシア
サムネイルではありません...小さい物でも5cmいじょうあります。
茶色柱状の結晶はチクナシ石で原産地標本になります。
クリソコラ&ヘテロゲン石 コンゴ
蛍石&煙水晶 モンブラン
サイズは1cm位です。でもバランスが理想的で素晴らしいです。
スピネル ミャンマー
大きなスピネル式双晶で一辺が1.5cmもあります。大理石の母岩に付く標本です。
石膏 モロッコ
鉱物において曲線というのは、一般常識外で何とも神秘的です、曲線コレクションの一つ目にいかがでしょうか?
蛍石 ナミビア
この産地の結晶は立方体の他に正八面体が混じっている結晶があり、内部の色の分かれ方を観察すると面白いです。
弗素燐灰石 ブラジル
水晶 メキシコ
菱マンガン鉱 南アフリカ
蛍石 イリノイ
針銀鉱 モロッコ
珪亜鉛鉱 ナミビア・ツメブ
現在、入手の難しい標本の一つです。
パイロープ イタリア
先々月のフェイスブックに紹介した巨大なパイロープから取れるカット石です。
結晶は大きくても取れるカット石はとても小さいのです。
現在は国か州の記念物に指定されて採集禁止なので貴重な品です。
灰重石 中国
ユークレース ブラジル
ブルーラインがユークレースらしいです。
イオスフォル石 ブラジル
結晶もあります。