2010年11月アーカイブ


 希元素鉱物 マイクロマウント標本 1点ずつ

Kimuraite-(Y) 木村石 ロシア Khankaiskiy産

Tundrite-(Ce) ツンドラ石 ロシア Yumechorrd産

Lokkaite-(Y) ロッカ石 カナダ Evans-Lou鉱山産

Fersmanite フェルスマン石 ロシア Kukisvumchorr Mt産

いずれも成分分析(EDX)で確認済み。分析データ付きです。




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 先日紹介したパキスタン産の水晶ですが、おそらくエステレル式双晶だろうということまでは分かりましたが、どうも連晶しているようです。ただこの結晶は先細りなので、面や角度の比較ができません。V字になる双晶は日本式やエステレル式の他にもいくつかあり正確には光学的な検査等が必要です。

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 オーストラリア産のオパールに劣らない美しさと手ごろな価格で大人気のエチオピアンオパールですが、美しさは同じでも取り扱いには少し注意が必要です。

 先ずオパールは水に浸けて保存しなければならないというのは間違いです。正確には水中ないし、水分の多い産状で採れたオパールは水中保存をしなければなりませんが、砂漠などの乾燥地帯で採れたオパールや乾燥した状態のものは必要ありません。

 今回のエチオピアンオパールはどうなるのか?
1.水に濡らすと、あっという間に透明度が良くなって、最後にはほぼ完全に透明になりととてもきれいです。

2.水から出すと、大抵は時間をかけて白濁していき、最後には透明感がなくなって白くなって遊色がなくなります。あきらかに水に濡らす前より悪くなります。でも再び水に入れると透明になります。

3.白濁したオパールは数日かけて太陽光にさらすと少しずつ元に戻ります。ただし乾燥している場所だとクラックができたり、完全に割れてしまう可能性があるので覚悟が必要です。

4.水に濡らしても水中保存にして、乾燥させなければ問題ありません。

丸いのは?

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 インドの丸い蛍石です。数年ほど前から出回るようになって人気があります。ミュンヘンショーの初日に見つけて、購入しようと思いましたが、価格が少し高めだったので見送りました。最終日にもう一度行ってみると、テーブルにいっぱいあったのがだいぶ減っていました。それでもいくつか購入しようと思い、よく見てみるとどうも細かい線が無数に付いています!? ...つまりこれは削って形を整えたFake標本です。もちろん自然のものもあり混じって売られていますが、本当に困ります。鉱物標本の世界ではくっつけたり、削ったりしないというのが大前提だったのですが、昔と今は違うようで、いちいち気をつけなければならず大変です。写真は見本用に一つだけ購入しておきました。

昨日、ミュンヘンショーの品が無事届きました。

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ペンタゴン石 インド産



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針鉄鉱 モロッコ産 
 新産品です。karibibiteとして販売されていましたが、成分分析及び粉末回折により同定しました。針鉄鉱は水晶中のインクルージョンだったり、結晶面のわからない塊だったりするので単独の結晶は案外珍しいです。ルーペで十分確認できますが、顕微鏡写真に挑戦するのもお勧めです。



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トパーズ パキスタン産



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パーガス閃石 パキスタン産



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アクアマリン パキスタン産
 結晶の中程に緑色の横線があります。どうして結晶の中に横線があるのでしょう...? よく見るとこの線には角があって、頭の形をしています。変わり種標本です。



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紅鉛鉱 オーストラリア産
端面はありませんが、かなり太い結晶です。



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 ぶどう石の集合体にふわふわのオーケン石が付いています。光が当たると所々キラキラするのは魚眼石です。



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 モンブランではなくイタリア側のモンテビアンコの水晶で、高い透明度がいかにもアルプスの水晶という感じでしょうか。



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杉石 南アフリカ産
 本品はよくある岩石タイプではなく、純度の高い結晶質タイプです。



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エトリング石 南アフリカ産



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緑水晶 ギリシャ産



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バレンチン石 スロバキア産




燐銅鉱 スロバキア産 原産地の標本です。



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紅安鉱 スロバキア産 


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エステレル式双晶 水晶 パキスタン産
 結晶が先細りなので、正確な角度を確認するのは難しいのですが、十数種類ある水晶の双晶の中でエステレル式双晶だと思われます。結晶は数センチあり、エステレル式双晶でこの大きさの標本は貴重です。



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エステレル式双晶 水晶 パキスタン産
これも同じく双晶です。



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上から見るとこんな感じです。
エステレル式双晶 水晶 パキスタン産

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水晶 乙女鉱山産 これが日本式双晶です。


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アルプスの美しい煙水晶です。
ですが面が少しおかしいと思いませんか...

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上から見るとこんな感じです...柱面と錐面の向きがずれているように見えます

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オイル入り水晶 パキスタン産
短柱両頭のハーキマータイプの結晶で、内部に黄色いオイル(石油)が含まれています。
水晶がどのような環境で結晶したのか、石油の由来は?など今後の研究が望まれる標本です。
オイルは紫外線で強く蛍光し、中の気泡が動くものもあります。



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ファーデン水晶 パキスタン産
水晶本来の成長の仕方から考えると、とても不思議な形です。どうして平たいのか、どうして平行連晶で繋がって伸びていくのか、中央の線の原因は...? 分からないことだらけです。


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ねじれ煙水晶 モンブラン産
これも不思議な結晶です。平行に繋がった結晶の向きが少しずつずれて、全体としてねじれています。


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インクルージョン入りねじれ水晶 パキスタン産



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水晶 モンブラン産
モンブランはヨーロッパアルプスの中でも水晶の代表的な産地ですが、イタリア側にも産地があって、こちらはモンテビアンコといいます。ほとんどの水晶は険しい崖の中をクライミングして、ロープにぶら下がりながら採掘しています。


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天然コーティング水晶 スロバキア産


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水晶 スロバキア産


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曲がり水晶 アーカンソー産
これはかなり曲がっています。曲がり水晶は成長中に折れた結晶が修復されてできるものと考えられていますが、これだけきれいに曲がるには、少しずつ折れ、その度に修復されているのでしょうか。


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大理石中水晶 カララ産
カララは古代より有名な大理石の産地です。
この大理石の晶洞にハーキマータイプの結晶が入っています。


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ぶどう石を伴う紫水晶 ナミビア産


ミュンヘンショーからの新着品を順次紹介していきます。

ダイアモンド結晶
 キンバレー岩中のダイアモンド結晶(ロシア・Myr Pipe産) この手の標本は非常に入手困難です。企業等で採掘されているダイアモンドは基本的にどこの産地でも厳しく管理されていて、ダイアモンドの原石はもちろん母岩(キンバレー岩)さえも外部に持ち出しはできません。今回の産地の標本はソ連からロシアに変わった時の混乱時に外貨獲得のためにまとまった量がでまわりましたが、現在は新しい流通はありません。そのため扱っている業者のストックも100万円前後の品を数個残すのみです。でも今回、たまたま会場を歩いているところを、10年くらいぶりに会う業者に声をかけられました。そして彼がダイアモンドを扱っていたことを思い出して、聞いて見たところストックがあり、なんと幸運にも20万以下クラスを手に入れることができました。彼は商売の方が上手くいっていなかったそうで、今回は久しぶりの出展だと言っていました。


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輝安鉱 市ノ川
スペインの有名なコレクターJoaquín Folch氏のコレクション。ご本人が日本に来たとき(1961年)に京都科学より購入された標本で、そのことがラベルにも書かれています。ただ残念ながら頭はありません。でも大きくて立派な単結晶です。


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エレメエフ石(イェレメイェフ石) ナミビア産
青色柱状の美しい結晶ですが、世界的にも産出が限られている珍しい鉱物です。


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蛍石 スペイン産
ブルーの立方体結晶が集合している美しい標本です。1点


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白鉛鉱 ツメブ産
ツメブ鉱山コレクターがいるほど、ツメブ鉱山にはネームバリューがあります。
その中でも代表適といえる鉱物はやはり白鉛鉱ではないでしょうか。


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オパール エチオピア産
この数年ブームになっています。オーストラリア産に比べるて桁違いに価格が安いことが人気の原因でしょう。お買い得感は抜群です。実はこの産地、もの凄い崖の中にあるようです。しかも人がやっと通れるくらいの溝が掘ってあり、安全ロープもなしに、そこを行き来して採掘しているのです。


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大理石中スピネル結晶 ミャンマー産
お馴染みの標本です。白色の大理石に赤い結晶が入っているのはいかにも宝石的で、美しいですね。結晶には8面体の単結晶と▲板状の結晶が二つくっついている双晶(スピネル式)の2種類があります。また淡黄色のコンドロ石を伴っているものもあります。コンドロ石は紫外線で黄色に強く蛍光するので、ミネラライトがあるとすぐに分かります。


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母岩付きタンザナイト タンザニア産
タンザナイトに限らず宝石用に採掘されている鉱物は加工が目的なので、母岩は不要となるため、このような標本は入手が難しいです。


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タンザナイト透明結晶 タンザニア産
透明度の良質の結晶を多数集めました。ほとんど非加熱処理ですが、一部加熱品もあります。ただ、加熱の可否については証明できないため、地元の業者を信用するしかありません。


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マンガンorマグネシウム斧石? メレラニ産
マグネシウム種は本産地で発見された新鉱物なのですが、成分を調べてみると両者ともあるようです。結晶の部位によって別れているなど一つの結晶に共存していることもあります。見た目は同じなのでなかなか難しいです。



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珪灰鉄鉱 中国産
本鉱としてはかなり大きな結晶です。最近新しく産出している標本で、ひそかに話題に話題になっています。


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緑れん石 パキスタン産
パキスタンの緑れん石は大きさ、透明度と共に現在の最良品ではないでしょうか。
多色性の良さも確認できます。


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シャッターカイト ナミビア産(未チェック)



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ペンタゴン石 
ペンタゴン石は希産鉱物ですが、その中でも名前の由来となっている★双晶はなかなかありません。さらにさらにその頭付きとなると...


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鶏冠石 ルーマニア産
鶏冠石はとても鮮やかな美しい鉱物です。しかしその一方で遮光保存などの注意が必要な不安定な鉱物で、数日で駄目にする人もいれば、いつまでもその美しさを保ち続けられる人もいます。鶏冠石を自分のコレクションに加えるには覚悟が必要なのです。