2011年3月アーカイブ


 この度の地震と津波による東北から北関東における甚大な被害は想像を絶しています。また復旧復興にはかなりの時間と忍耐が必要となる事が想像され、避難されている方々の心労は計り知れません。標本をご購入いただいている方、お世話になっている方で震災に遭われた方も少なくはなくとても心が痛みます。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を心より願っています。


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アメリカ New Jersey, Frankline, Hardyston Township

今回、フランクリンの鉱石がまとまって手に入っています。フランクリン鉄鉱、珪亜鉛鉱、マンガン方解石の組み合わせは代表的で、一見地味なのですがカラフルに蛍光することで有名です。その他に珍しいところでは、入手の難しい紅亜鉛鉱やハージストン石があります。写真はハージストン石の標本で白い部分がそれで、紫外線で紫に蛍光します。



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1962年10月3日 ナイジェリア Zagamiに落下した有名な隕石で、世界中の研究機関や博物館は必ずと言っていいほど所蔵しています。火星起源とされる隕石は3種類あり、ザガミはShergottiteに属します。隕石は毎年新しく発見され登録されていますが、このような代表的な隕石は限りがあるものなので流通は少なくなる一方です。








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アメリカ California, San Benito Co., Gem鉱山

 世界でもアメリカでしか採れない宝石鉱物のベニト石です。今回は20年前に採掘されたという分離完全結晶がたくさん入っているのですが、この写真のような母岩付き結晶標本も数点あります(黒い結晶は海王石)。Gem鉱山は20年前までベニト石を宝石として採掘していましたが、今は採掘していません。採算が合わなかったようです。現在は観光鉱山として一般に公開しており、1ガロンバケツ一杯で100ドルとのことです。ただベニト石の結晶は白いソーダ沸石の分厚い層の中に埋もれているので、採集時には残念ながらベニト石が入っているのかどうかはまったく分かりません。それでベニト石を見つけるためには塩酸でソーダ沸石を溶かさなければなりません。1ガロンのバケツ一杯を溶かしても結晶があるととは限らないのです。





 

 

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メキシコ産でピンクとグリーンのカラフルな方解石です。



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この産地のものは紫外線長波(ブラックライト)で強く(特にピンク)蛍光します。
さらには燐光する特徴もあります。ライトを消してもすぐには蛍光が消えないで少しずつフェイドアウトしていく感じはとても幻想的です。



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また、紫外線短波ではそれぞれ長波とは違う色に蛍光します。




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Wavellite アメリカ Arkansas産

アーカンソーの銀星石は緑味が強く"銀星"という感じがあまりしません。
でも一部を拡大してみると、それなりに見えるような気もします。





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Augelite ペルー Ortega

水晶の群晶の中に淡い緑色の結晶がひっそりとついています。
アウゲル石の結晶は珍しいです。




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中国 上宝鉱山

結晶面が細かな段々になっていて、拡大すると立体的な造形がおもしろいです。





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アメリカ Arkansas, Hot Spring

全体はあまりぱっとしない煙水晶です。
でも所々に黒い粒がついています。
拡大してみるとソロバン型のきれいな結晶でした。
どのようにして出来たのか考えて見るとおもしろいです。





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イギリス Teesdale産

 あられ石ないし、もしくは方解石のボールで鍾乳洞でできたものです。粉末回折をすればどちらか判明しますが、標本を一つ壊さなければなりません。今回は"鍾乳パール"とだけしておきます。

 以前にも同様の標本を入手したことがあります。核に不定形の小石が入っていたのか形はもっといびつでした。それに比べると本品は見事までに丸いです。そういえば本物の真珠も炭酸カルシウムなので成分が同じですね。

来週の新着品セールをどうぞお楽しみに!


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鉄かんらん石 Fayalite アメリカ California, Siskiyou Co., Cougar鉱山


 鉄を主成分とする鉄かんらん石はオリビングループに属し、マグネシウムを主成分とする苦土かんらん石との間は連続しています。苦土かんらん石で緑色透明なものは美しく、宝石(ペリドット)にもなっていますが、鉄かんらん石の方は結晶自体がとても珍しく大抵は不透明の塊です。

このCougar鉱山の鉄かんらん石はクリストバル石(黒曜石中)の隙間に微小ではありますが、透明な結晶を見ることができます。

 昨年、新しくした蛍光X線分析装置(EDX)は1ミリ程度の微小なものでも検査できるので成分比を確認してみたところ、ほぼ純粋な鉄かんらん石で間違いありませんでした。ただ、マグネシウムは微量しか検出されなかったものの、代わりにマンガンが数%検出されました。オリビングループにはマンガンを主成分とするテフロ石 Tephroiteがあり、やはり間は連続しています。