鉱物の最近のブログ記事

アホー石入り水晶

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 ミュンヘンショーで仕入れた、南アフリカのアホー石入り水晶の新しいタイプの標本です。水晶をアホー石を含むカルセドニーが覆っていると思われましたが、蛍光性をチェックしてみると緑色に蛍光するため、カルセドニーではなく玉滴石(オパールの一種)的なものかも知れません。これは元素分析(EDX)では区別ができないので、粉末回折(XRD)をする必要があります。

水晶 Quartz

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スイス アルプス産

 水晶の双晶には全部で十数種の種類が確認されており、その中でも日本式双晶は有名です。写真の結晶は二つの結晶がV字型に結合しいかにも双晶という感じですが、結晶の先端が先細りのため面や角度の確認ができません。一応角度を合わせてみると50度を切るくらいであり、候補としては48.54度のブライトハウプト石双晶でしょうか。標本は2点あり、どちらも面の向きや角度が同様なのでたぶん大丈夫だと思います。ただ科学的な証明はむずかしいです。

四面銅鉱

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 先日のユーロミネラルショーでボリビア人業者から錫石や円筒鉱などを購入した時に、銀四面銅鉱を勧められました。四面銅鉱にはいくつかの種類があって、ふつうは砒四面銅鉱か安四面銅鉱で銀四面銅鉱はとても珍しいです。しかし、これらの肉眼的な判断は無理なので、本当かどうかは分かりません。でも可能性が無いわけでもないので一応購入しました。それで帰国後、さっそくX線元素分析(EDX)でチェックしてみたのですが、見事に外れで、主成分がアンチモニーの安四面銅鉱でした。ただ銀も数%は含まれていたので、含銀安四面銅鉱といったところです。

 鉱物には見た目は同じでも成分比で名前が異なるものがあり、仕入れの時点で判断できないため、このようなことは仕方がありません。

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 先日紹介したパキスタン産の水晶ですが、おそらくエステレル式双晶だろうということまでは分かりましたが、どうも連晶しているようです。ただこの結晶は先細りなので、面や角度の比較ができません。V字になる双晶は日本式やエステレル式の他にもいくつかあり正確には光学的な検査等が必要です。

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 オーストラリア産のオパールに劣らない美しさと手ごろな価格で大人気のエチオピアンオパールですが、美しさは同じでも取り扱いには少し注意が必要です。

 先ずオパールは水に浸けて保存しなければならないというのは間違いです。正確には水中ないし、水分の多い産状で採れたオパールは水中保存をしなければなりませんが、砂漠などの乾燥地帯で採れたオパールや乾燥した状態のものは必要ありません。

 今回のエチオピアンオパールはどうなるのか?
1.水に濡らすと、あっという間に透明度が良くなって、最後にはほぼ完全に透明になりととてもきれいです。

2.水から出すと、大抵は時間をかけて白濁していき、最後には透明感がなくなって白くなって遊色がなくなります。あきらかに水に濡らす前より悪くなります。でも再び水に入れると透明になります。

3.白濁したオパールは数日かけて太陽光にさらすと少しずつ元に戻ります。ただし乾燥している場所だとクラックができたり、完全に割れてしまう可能性があるので覚悟が必要です。

4.水に濡らしても水中保存にして、乾燥させなければ問題ありません。

松茸水晶 

松茸水晶

 今年は松茸が豊作ということでニュースで話題になっていますが、水晶の世界でも山梨県の新しい産地できれいな松茸式の結晶が発見されています。写真の標本は未洗浄なので結晶面に酸化鉄の被膜がありますが、これはこれで風情があります...洗うのは簡単ですし。他にもシトリンなども見つかっているそうで、この夏に採集した緑の水晶といい金峰山を中心とするこの山域は様々な水晶のバリエーションが発見されていてとても興味深いです。

緑の山入り水晶

先日、久しぶりに採集(山梨県)へ行って来ました。
ちょうど雨が降った後で、地面のコケが青々としていてとてもきれいでした。
やはり木々に囲まれた山の中は気持ちが良いですね。

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緑色針状の結晶が入っていますが、緑閃石とかの角閃石系でしょうか?
この水晶は緑色繊維状のものと一緒にでていたので、これを調べれば分かると思います。
この他にも白色の山入りや黄鉄鉱や鋭錐石の結晶が入っているものもありました。

マクロ

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ナミビアの紫水晶
マクロで撮影したところネガティブクリスタル(中央)と気泡(左下)がきれいに写りました。ツーソソン新着品の一つです。

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 ローディス石とロンドン石は肉眼では区別がつかないため鉱物種を確定するには成分分析をしてK,Cs,Rbの比率を調べる必要があります。ただ、この標本の難しいところは中間的な場合が多く1点1点チェックしなければなりません。また母岩がカリ長石であるため母岩の成分が検出されないようにすることも大事です。
 紅電気石を伴っていますが、電気石の種類としてはCaを若干含むもののリディコート電気石ではなくリチア電気石でした。マンガンも検出され、これは紅色の原因になっていると思われます。

Atacamite

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 先月のデンバーミネラルショーで仕入れたもので、アメリカのあるトップディーラーでアタカマ石(中国産)として販売されていました。見た目に少し疑問を感じつつも中国産のアタカマ石なら珍しかったので、50点ほど購入しました。入荷後、成分分析をおこなったところ、やっぱりアタカマ石(ハロゲン化鉱物)ではなく、残念ながらというか予想通りというかただの孔雀石(炭酸塩鉱物)でした。

China, Hubei, Daye Iron mine.

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 ネバダ産の自然金を分析してみました。その結果金と銀の比率は平均で6対4でした。色味が白いものから黄色いものまでありますが、金と銀の比率とは関係ありませんでした。産状としては方解石中のものと石英中のものがあり、方解石ちゅうのものは酸で方解石を溶かして金を露出させてあります。石英中のものは微小ながら水晶の結晶を伴っており、自然金と水晶の組み合わせはあるようでなかなか無いと思います。



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 紫水晶を伴うものもあります。  そして...




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 撮影した画像を見て気が付いたのですが、紫水晶の結晶の中に自然金の結晶が入っていました。


 毎年ツーソンショーの新着品セールは3月末におこなっていたのですが、今年は会場を押さえられなかったために2週も早くなりました。そのため例年に比べると準備期間が半分しかなく、現時点で準備の出来ていない標本がまだ多数あります。もしかすると初日に間に合わない品(既に公開済みの品は大丈夫です)が出てしまうかも知れません。



Hiroki H.

異極鉱と...

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 中国産の異極鉱です。空色の美しい標本です。


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 よく見ると所々に青色の濃い部分があります。ルーペで見てみると微小ながら結晶しています。分析してみたところベゼリー石(銅・亜鉛の燐酸塩)という結果が得られました。異極鉱よりもずっと珍しい鉱物です。



Hiroki H.

はずれ

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 残念ながら約50ctのポルックス石だというカット石は成分分析をおこなったところ、ただの水晶でした。こうなると簡易検査器具をやはり携帯しないとだめですね...

 ちなみに原石標本でもやはり間違いが多いのは無色透明の石で、何か珍しい鉱物かもしれないのでとりあえず手に入れますが、分析してみると大抵は水晶だったりします。水晶は明瞭な特徴があるので、ふつうには間違えることなど無いはずですが、特種な形状や特徴があると見た目で判断がつかないと、とりあえず手に入れるしかありません。

Hiroki H.

含クロム灰電気石

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 いわゆる「クロムトルマリン」と呼ばれている石がありますが、実は分析してみるとクロムが入っていないことが良くあります。本品は分析の結果クロムが入っていました。他にチタンも同程度検出しました。ところで本品には独特の性質があり、普通に見ると緑色なのですが、透過光だと赤色になります。ただし、かなり濃い色なので強力な光源が必要です。

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 実は石の厚みによって色が変わります。薄くスライスすると緑色に厚くスライスすると赤色に、つまり薄い緑の板を2枚用意して重ねると上の図のようになります。まるでクロムフィルターのようです。


Hiroki H.

新着品の紹介

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 天青石です。マダガスカル産ではなくアメリカ、オハイオ州のものです。マダガスカル産の迫力ある標本ばかり見ていると本品はかなり物足りないかも知れませんが、じっくり見るとなかなか美しい標本です。




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 カナダ産の石膏で、透石膏Seleniteと呼ばれている品で、「透」がつくだけあって透明度は抜群です。紫外線で蛍光もします。



 南アフリカ産のPoldevaartiteとOlmiiteは分析の結果、オルミ石Olmiiteとなりました。




Hiroki H.

少し変わった水晶

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 中国産の水晶で、とても整った結晶です。ここまで整った結晶は珍しいのではないでしょうか。もちろん研磨されている訳ではありません。



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 今回、南アフリカ産のアホー石入り水晶の小型結晶がたくさんあります。このサイズは今までなかったものです。ところでその中によく見ると曲がっている結晶がありました。アホー石入り曲がり水晶です。


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 さらにパパゴ石入りも二つだけありました。




Hiroki H.

蛍光する琥珀

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 ドミニカ産の琥珀です。紫外線で青白く蛍光することから「ブルーアンバー」と呼ばれています。上質のものになると日光でも青みがかって見えます。今回は低価格のもので日光ではだめですが、紫外線ランプであればもちろん強く蛍光します。また研磨してあるのは部分的なので自然の状態も分かります。ただ、残念なのは研磨が雑だったようで、摩擦熱によるクラックが入っており、通常は分かりませんが、蛍光させると線が分かります。まあその分格安なのですが。樹種はマメ科の広葉樹「ヒメナエア」で約3000万年前だそうです。ちなみに蛍光性の琥珀はこのドミニカ産に限られています。




Hiroki H.

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 ブラジルで新産の水晶につくパープルトパーズです。結晶の大きさは5ミリ程度と小さいのですが、そのわりに色が濃く輝きも強いため、非常に美しい標本になっています。写真の結晶は両頭式になっています。



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 メキシコ Naica産の蛍石は6面体と8面体の結晶が複合しているのが特徴です。


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 肉眼では分からないのですが、ルーペで覗くと丸い泡が沢山見えます。中には動くものもあります。
泡入り蛍石です。



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 デグレスピグニー石(オーストラリア産)という石で原産地標本です。イットリウムを含むとても珍しい鉱物です。



Hiroki H.

新着品 1点もの

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 カナダ モンサンチラール産のカタプレイ石で、透明度の良いきれいな結晶です。



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 ナミビア ツメブ鉱山産の菱亜鉛鉱です。菱亜鉛鉱は肉眼的な結晶になることがないですが、本品は6角柱のシャープな結晶になっています。



Hiroki H.

蛍石

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 立方体紫色の蛍石のまわりを犬牙状オレンジ色の方解石が覆っています。中国産。



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 強く蛍光することで有名なイギリスの緑色立方体の蛍石ですが、本品は水晶群晶の丘の上に霜降り状になって付いています。


蛍石で少し変わったものを紹介してみました。



Hiroki H.